
最初に、東日本大震災の被災者の皆さまに謹んでお見舞い申しあげますとともに、復興に向けて、日夜、全力で努力を重ねておられるすべての方々に心から敬意を表し、感謝申しあげます。
静岡銀行グループとしても、引き続き、私たちにできるご支援に誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。

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平成22年度を振り返りますと、前半は新興国経済に牽引された輸出の増加や、政府の需要創出、雇用下支え効果等により、景気は、リーマンショックから2年を経て、ようやく上昇に転じようとしたものの、後半に入ると、海外経済の減速懸念を受け、円高が急速に進行するなか、日本経済を根底から揺るがす東日本大震災が発生いたしました。
震源地は岩手県沖から茨城県沖におよび、私たちの想像を絶する大津波は原子力発電所の事故をも引き起こし、東北地方から関東に至る広大な地域に、かつて経験のない未曾有の被害をもたらしました。
同時に、国内全域においてサプライチェーン(部品の調達網)の停滞を引き起こし、今なお企業の生産活動に影響を与えております。さらに、自粛ムードの高まりを受けた個人消費の落ち込みは、観光産業、レジャー産業、飲食業などに大きな打撃を与えました。
これは静岡県内においても同様で、静岡銀行グループでは、製造業をはじめ観光地の宿泊業など、震災の影響に苦慮する地域企業を全力でサポートするため、必要とされる資金の提供はもちろん、事業計画の見直しをはじめ、経営課題の解決に向け、ともに取り組んでまいりました。
引き続き、地域企業を守り、地域経済の豊かな発展に貢献するという私たちの使命を果たすことで、この国が再び元気を取り戻す努力を重ねてまいりたいと考えております。
平成22年度は、第10次中期経営計画「Dream Ten 〜新たなる挑戦」の最終年度にあたり、ビジョンとして掲げた「地域の皆さまの夢を育み、ともに成長する総合金融グループ」の実現に向け、総力をあげて取り組んでまいりました。加えて、成長性あふれる経営の創造に向け、基本戦略である、「地域とともに持続的成長を実現するための揺るぎない営業基盤の確立」「生産性の高いグループ経営の実現」「『しずぎんブランド』の確立」を三位一体で推進するとともに、基本理念「地域とともに夢と豊かさを広げます。」のもと、銀行に求められる社会的責任と公共的使命を果たすべく、地域の経済、産業や社会、文化の発展に寄与する金融サービスの提供に努めました。
法人分野では、販路拡大などを通じてお取引先の業容拡大を支援する「ビジネスマッチング」、若手経営者など将来を担う人材の育成を目指す次世代経営者塾「Shizuginship(しずぎんシップ)」、地域経済の安定をはかる「経営改善・事業再生支援」を3つの柱と位置付け、静岡銀行グループならではの地域密着型金融を推進いたしました。
個人分野では、引き続き利便性の高い商品・サービスのラインアップに努めるとともに、IT技術の活用や業務プロセスの改革等を通じて、営業担当者の増員と店舗設備の刷新を進め、広くゆとりある店舗空間で、お客さまの生活設計にお役立ていただく質の高い金融サービスのご提案に努めております。
こうした取り組みの結果、22年度は、第10次中期経営計画最終年度の目標として掲げた「静岡県内における貸出金シェア30%」を達成するとともに、経常利益、当期純利益ともに2期連続の増益を計上することができました。
これも、ひとえにお取引先ならびに株主の皆さまのご支援のおかげと心からお礼申しあげます。
また、株主の皆さまから支持される経営を目指し、平成22年度は二度にわたり、合計2千万株の自己株式を取得し、そのすべてを消却いたしました。
年間配当につきましても、株主の皆さまの日ごろのご支援にお応えすべく、「配当性向25%程度かつ大手地方銀行最高水準の配当維持」の基本方針に従い、1株当たりの配当額を13円とさせていただきました。これにより、自己株式の取得額と年間配当額を合わせた22年度の株主還元額は238億円、株主還元率は67.22%に達しております。
23年度も、すでに、この6月までに2千万株の自己株式の取得を実施しており、今後につきましても、適切な資本政策の実行により、企業価値のさらなる向上をはかり、株主の皆さま、そして市場から信頼される経営に取り組んでまいります。
さて、平成23年4月には、第10次中期経営計画で確立した経営基盤を最大限に活用し、新たな成長ステージを目指す第11次中期経営計画「MIRAI〜未来」をスタートさせました。
計画の具体的な施策や経営目標等につきましては、本誌の7ページから10ページでご紹介させていただきましたが、この計画は、3つの基本戦略「『先進性』『提案・解決力』を通じた成長の実現」「高い生産性による強靭な経営体質の構築」「『しずぎんブランド』の価値向上」の調和のとれた推進により、ビジョン「お客さまとともに地域の未来を切り拓く総合金融グループ」の確立を目指すものです。
そして、このビジョンの確立に向け、従業員一人ひとりの行動のありかたを示す行動宣言として、「私たちは、将来にわたる地域の発展、成長を実現していくため、つねにお客さまのベストパートナーになるよう行動します」を定めました。何より私たち地域金融機関はサービス業であり、お客さまあっての存在です。今一度、この原点に立ち返り、この行動宣言のもと「地域とともに歩む静岡銀行グループ」として、地域社会との一層の一体感を醸成してまいりたいと考えております。
私は困難に直面した時、「打つ手は無限」という言葉を思い起こします。どのような苦しい状況に遭遇しようとも、決して思考を停止することなく、未来を見つめ、さまざまな角度から真剣に対応を考え、諦めることなく方法を見つけていくなら、必ず道は拓けるものと信じております。
今、私たちを取り巻く環境は、東日本大震災の復旧・復興が急務となるなか、少子高齢化をはじめ、社会のさまざまな領域で構造変化が進行しています。加えて、政局の混乱とも相まって、私たちは明るい未来を描ききれない局面に立たされているのではないでしょうか。しかし、このような時であるからこそ、勇気をもって困難に立ち向かい、何ごとに対しても「打つ手は無限」と考え、新たな可能性を切り拓く努力を重ねることが、何よりも大きな意味をもつことになるでしょう。
静岡銀行では、地域社会の構造変化に対応するため、すでにタイ、インドネシア、ベトナムの銀行と業務提携を結び、地域企業のアジア進出に対する支援体制を強化するとともに、医療・介護、環境、農業など、地域経済の未来を担う新分野へのチャレンジをサポートする「成長分野応援プロジェクト」等をスタートさせております。今後につきましても、新しい中期経営計画のもと、10年後、20年後を見据え、地域とともに、そしてお取引先とともに成長していくための果敢な挑戦を続けてまいる所存でございます。
どうか皆さまにおかれましては、変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。