金融機関コード:0149

頭取メッセージ 頭取 柴田 久からの、皆さまへのメッセージをご紹介します。

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写真:取締役頭取 柴田久


いかなる時も地域に寄り添い、地域とともに持続的な成長を目指す「しずぎん」

経営環境の大きな変化

  「平成」という一つの時代が終わりを告げ、新しく「令和」の時代が幕開けしました。あらためて平成の30年を振り返りますと、平成元年の大納会で日経平均株価が3万8,915円の史上最高値をつけたのち、バブル経済は崩壊の一途をたどり、日本は「失われた20年」といわれるデフレの時代に突入しました。その後も、2008年にリーマンショック、2011年には東日本大震災が発生するなど、国内経済は絶頂から崩落、そして再生へと荒波に翻弄され続けました。さらには、急速な少子高齢化の進展や情報化、国際化の流れが社会のシステムに変革を迫り、私たちの生活や価値観も多様化しています。

  この間、銀行業界を取り巻く環境も大きく変化しました。なかでも、地域金融機関の経営に大きな影響を与えている変化は、主たる営業基盤である地域経済の将来展望が右肩上がりでは描きにくくなっていることです。人口減少や高齢化が進展するなかで、人口の東京一極集中は続いており、首都圏を除くほとんどの地域が経済規模縮小の危機にさらされています。

  しかしながら、地域経済の発展なくして私たち地域金融機関の持続的な成長はありえません。その意味において、私たちはどのような時にあっても「地域密着」こそが、もっとも優先すべき経営判断の基準であるといえます。そして、地域経済の活性化をあらゆる面でリードし、地域とともに持続的な成長を目指すことこそ、地域金融機関の社会的使命であり、存在意義でもあると考えています。

第13次中期経営計画への取り組み

  こうしたなか、静岡銀行グループでは、第13次中期経営計画「TSUNAGU〜つなぐ」を2017年4月にスタートさせました。ビジョンとして掲げた「Innovative Bank〜地域とともに新たな価値を創造し続ける『しずぎん』」には、「いかなる時も地域に寄り添い、地域とともに持続的な成長を目指す」という私たちの強い思いを込めています。

  この計画では、ビジョンの実現に向け、4つの基本戦略「地域経済の成長にフォーカスしたコアビジネスの強化」「事業領域の開拓・収益化による地方銀行の新たなビジネスモデルの構築」「チャネル・IT基盤を活用したセールス業務の変革」「地域、お客さま、従業員、株主の夢と豊かさの実現を応援する」を、「コアビジネス(地域)」「首都圏」「ネーションワイド(全国展開)」の3つの事業領域で推進しています。

  まず、「コアビジネス」は、静岡県を中心とする地域における事業展開です。

  具体的には、地域密着型金融の一層の深化を目指し、技術力や将来性など事業性評価にもとづく資金供給、地域の活力の維持・向上を目指す創業・新事業支援や経営改善・事業再生支援、あるいは次代を見据えた後継者育成などに力を注いでいます。また、地方創生の観点から、静岡県内すべての市町と連携協定を結び、観光振興や人材支援をはじめとする幅広い活動を展開しています。

  なかでも、最重要課題として取り組んでいるのは、高齢化の進展にともない地域の喫緊の課題となっている相続・事業承継サポートの強化です。これは、地域の活力を次代へとつなぐ重要な取り組みであり、2018年度には経営改善をともなう事業承継を支援するハンズオン型のサポート体制を整備するなど、グループ会社の総合金融機能を駆使して、あらゆる事業者のニーズにお応えするための支援体制を構築しています。

  このように地域の課題を共有し、その解決にあたることは、私たちの社会的使命そのものであり、あらゆる角度から主体的に取り組んでいます。また、その取り組みは、短期的な収益に結びつかなくとも、将来を見据えて実践すべきことだといえます。こうした意味から、地域の将来のために必要なコストを地域以外でも稼ぐ必要があり、「首都圏」「ネーションワイド」といった事業領域での活動にも取り組んでいるわけです。

  具体的には、「首都圏」では、中長期的に収益基盤の柱となる新たな事業領域を開拓すべく、首都圏ならではの多様で先端的なニーズにお応えするビジネスに力を注いでいます。なかでも、ストラクチャードファイナンスは、他の地方銀行に先駆けて2013年から体制を整備し、専門性と機動性を高めた業務の推進に取り組んだ結果、成長ドライバーの一つといえる事業に成長しました。今後は、他の地方銀行との勉強会を積極的に開催し、ストラクチャードファイナンス市場への参加行を増やす「仲間づくり」に力を注ぐ方針です。参加行が増えれば、市場における取引が活発化し、市場の健全かつ着実な成長が期待できるとともに、私たちのビジネスチャンスも確実に広がるものと考えています。

  また、「ネーションワイド」では、主にインターネットを介し、全国区で営業を展開しています。戦略の基盤となるインターネット支店は、静岡県外のお客さまからもご支持いただき、2019年3月末の預金口座数は234千件(うち静岡県外61%)、預金残高は5,605億円と、最大の預金残高を誇る支店に成長し、預金調達における重要な役割を果たしています。

  このほか、2015年よりサービスを開始したスマートフォン用アプリ「しずぎんSTATION」では、「スマホを銀行窓口に!」をコンセプトに、多くのお客さまの声を反映しながら機能の拡充、改良に努め、2019年3月末現在、登録件数は38万件を突破しています。

  あわせて、マイカーローンや教育ローンなどのインターネット経由での手続きの利便性を高め、スマートフォンでのローン申込割合は全体の8割を超える水準となっています。

  さらに、2018年8月には、全国40都道府県に店舗をもつ住宅ローン専門金融機関のアルヒ株式会社との間で、同社の取り扱う住宅ローン「ARUHI変動S」の保証をグループ会社の静銀信用保証が行う事業を開始しています。今後、この事業モデルを他社との協業にも応用し、ネーションワイドマーケットにおける住宅ローンビジネスの収益獲得源として成長させていく方針です。

第13次中期経営計画の概念図


持続可能なビジネスモデルの構築に向けて

  第13次中期経営計画では、3つの事業領域における基本戦略の推進に加えて、3つの構造改革にも取り組んでいます。

  1つ目は、「収益」の構造改革です。低金利環境が長期化するなか、貸出金利息やフィービジネスの強化を通じて、本業の収益力強化を図り、収益に占める市場運用部門のウェイトの低下を目指しています。

  2つ目は、「チャネル」の構造改革です。地域特性・マーケットに応じた最適な店舗機能への見直しとエリア統括店への業務・人員の集約を通じた付加価値の高い金融サービスの提供を目指す「営業体制改革」に加え、非対面サービスの拡充に向けた取り組みを進めています。


3つの構造改革の主な成果・進捗状況


  3つ目は、「ヒト」の構造改革です。働き方改革を中心に、従業員の多様な価値観に対応すべく、総労働時間の削減と業務運営の見直しを図るとともに、人材育成の強化に力を注いでいます。

  これらについては、第13次中期経営計画の策定時に描いていたプランに概ね着手し、相応の手応えを感じています。最終年度となる2019年度も、時代の変化に先駆けて対応すべく、一層のスピードアップを図り、体制を整備していく方針です。

  また、厳しい経営環境が続くなかにあって、経営統合や大規模な経営合理化に取り組む金融機関が増えていますが、静岡銀行グループはこうした動きとは一線を画し、地域金融機関の可能性を切り拓く新しいビジネスモデルの構築に努めています。

  具体的には、2014年4月のマネックスグループ株式会社との資本業務提携を皮切りに、株式会社マネーフォワードやほけんの窓口グループ株式会社など、数多くの異業種企業との業務連携を継続的に進めてきました。さらには、2019年4月、経営統括本部長直轄の部署として「イノベーション推進室」を新設しており、異業種企業との連携を通じて銀行経営を変革させるビジネスの創出に向けた取り組みを一層加速させる方針です。

  なお、本年7月には、静岡県と共同で先端テクノロジー・ビジネスマッチング「TECH BEAT Shizuoka」を開催し、金融に限らずさまざまな先進技術をもつ企業を静岡に呼び、静岡県内企業とのネットワーク構築やマッチングの機会を提供しました。地域とともに持続的な成長を実現すべく、先端テクノロジーの活用による地域産業の活性化や新たな産業創出に向けた取り組みにも力を注いでいます。


持続可能な社会づくりへの取り組み

  もちろん、こうした事業展開を進めるうえでは、持続可能な社会を目指すために、環境保全、社会的課題への対応といったESGやSDGsの取り組みを大切にしています。

  また、世界的にも例を見ないスピードで高齢化が進展するなか、私たち金融機関には、人生100年時代を見据えた資産形成の提案や、歳を重ねても安心してご利用いただける金融サービスの提供が求められています。言い換えれば、「金融ジェロントロジー(金融老年学)」という概念を踏まえたサービスの必要性が高まっています。そのため、静岡銀行では、他の地方銀行に先駆けて、「日本金融ジェロントロジー協会」に加盟しています。

  これから超高齢化社会を迎えようとしているなかで、「寿命」「健康寿命(就労期間、認知機能の維持)」「資産寿命(資産運用、管理能力)」の3つの寿命のバランスが大切だといわれています。こうした時代認識のもと、国内の大手金融機関等と金融サービスのあり方を議論・研究し、そこで得た知見を反映した最適なサービスをお客さまに提供してまいりたいと考えています。


寿命・健康寿命・資産寿命の関係


株主還元方針に込めた思い

  ここで、株主還元についてご報告します。

  第13次中期経営計画では「中長期的に株主還元率50%程度」という目標を掲げており、2018年度は、配当が前年度比+1円増配の22円、これに加えて自己株式10百万株の取得を実施し、静岡銀行単体の株主還元率は53.99%、配当性向は30.38%となりました。

  静岡銀行では、将来的にも安定した収益を計上し、戦略的投資により成長戦略を推し進め、かつ適正な株主還元を行うことで、EPS(一株当たり純利益)やBPS(一株あたり純資産)で示される株式の価値を高めていくことを経営方針としています。これは、株主の皆さまにいつ当行の株式を取得いただいても、その価値が常に右肩上がりで高まり、永く保有していただける企業にしたいという私どもの願いでもあります。


地域金融機関の未来像

  少し前の話ですが、ある銀行の経営トップの方が、銀行の役割を「ダム」に例えていました。ダムは豪雨の時は洪水を防ぐために上流で雨水をせき止め、干ばつの時は農作物がしっかりと実るように水を流す役割をもちます。

  この役割は、銀行における資金供給の役割とよく似ています。たとえば、私たち静岡銀行においても、リーマンショックの時に、地域のお取引先一社一社の資金繰りを支店長や担当者が聞いてまわり、必要な資金を供給することで、地域経済の危機をお客さまとともに乗り越えた経験があります。


写真:柴田久

  こうした資金供給に限らず、相続・事業承継支援、経営改善支援などの取り組みを通じて、どのように経済環境が変化しようとも、地域に寄り添い、地域経済を守っていくことは、これからも変わらない私たち地域金融機関の役割であり、使命であると考えています。

  その意味では、今後、AIなどのデジタル技術がどれだけ進展し、プラットフォーマーやフィンテック事業者などが金融機能の一部を担う時代が到来しようとも、「地域に寄り添い、地域経済を守る役割」は、決して銀行以外に代替することはできないといえるでしょう。そして、この役割を果たすことこそが、私たち静岡銀行グループが目指す姿そのものなのです。

  本年度は、第13次中期経営計画の最終年度となります。静岡銀行グループの総力を結集し、ビジョンとして掲げた「InnovativeBank〜地域とともに新たな価値を創造し続ける『しずぎん』」の実現、そして、地域とともに持続的な成長を遂げていくためのビジネスモデルの構築を目指してまいります。


  皆さまにおかれましては、変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。


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商号等:株式会社静岡銀行

登録金融機関:東海財務局長(登金)第5号

本店所在地:〒420-8760 静岡市葵区呉服町1丁目10番地

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