不動産業界の経験も長い中屋さんは、移住先検討、そして移住にあたり以下のポイントに重点を置きました。
<中屋香織さんの移住検討時のチェックポイント>
・家族は納得できるのか
・無理のない予算で住めるのか
・自分らしい生活ができるのか
一つ目の「家族は納得できるのか」について、当初は中屋さんのご実家がある静岡県浜松市と当時住んでいた神奈川の二拠点暮らしを考えていたそうです。旦那様は都内でお仕事もあり、週末だけ浜松に来るということをお試しでやってみたのだとか。しかし、お子さんが「毎日パパと会いたい」と泣き出してしまい、これは家族にとってよくないと東京にも通える範囲で物件探しを始めたそうです。「当初は千葉の房総エリアも考えたのですが、そうすると今度は浜松の実家から離れてしまう。親も高齢になってくれば、なにかあればすぐ行ける場所にいたいと考えました」。
二つ目の「無理のない予算で住めるのか」は、自分の将来設計を考える上でも重要です。「自分がこういう暮らしをしたいと思っても、そこに無理があると生活水準を維持するために疲労困憊してしまいます。自分らしく働いて、暮らしていくためには初期費用や維持費はどのくらいで、と細かくシミュレーションを立てることが大切です」と話し、ご自身も2,600万円を上限として物件探しを始めたそうです。
三つ目の「自分らしい生活ができるのか」について、中屋さんは「長年不動産業に関わってきた延長線上としてまちづくりに関わっていきたいと思っていました」と話し、移住先を探していた2016年の夏、熱海市で行われた「ATAMI2030会議」※1に参加したことをきっかけに熱海への移住を決断しました。「会議の席で、熱海に移住したいので場所を教えて欲しい、と言って案内してもらいました」と当時を振り返ります。さらに、自分自身が移住したら何をしたいのかということをリストにしていたと話します。
ご実家の浜松市から近く、かつ旦那様は東京へ通勤が可能、そしてご自身が関わりたいまちづくりにも参画できそう??まさに、中屋さんのライフスタイルにマッチしていたのが熱海だったのです。「大切なのは、移住した後の生活をどこまで具体的にシミュレーションできるか。裏を返せばシミュレーションできれば、移住で困ることはまずありません。私も今の生活が最高ですし、それは移住前にイメージしていた通りです」。
部屋にあるハンモックで本を読んだり仕事をしたりすることも。本は移住や暮らし方にまつわるものがそろう。