2025年10月31日公開(2025年10月31日更新)

カードローンの利用限度額とは?決め方や引き上げるメリット、注意点を解説

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2025年10月31日時点の情報となります。

カードローンの利用限度額とは?決め方や引き上げるメリット、注意点を解説
荒木 和音(あらき かずね)

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荒木 和音(あらき かずね)

保険代理店での個人向け家計相談や企業のリスクコンサルティングを経て、金融専門ライターとして独立。現在はWEBメディアを中心に、クレジットカードやカードローン、資産運用などに関する記事を幅広く執筆している。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。

カードローンを活用する際、「年収や借り入れ状況が限度額にどう影響するの?」「いまの限度額では足りないけど増額できる?」といった疑問や悩みを抱える方は少なくないでしょう。

カードローンの利用限度額は申込者の返済能力に応じて個別に設定されるため、仕組みを正しく理解しておく必要があります。本記事では、カードローンの利用限度額の基本的な意味や、利用限度額を引き上げるメリット、注意点などを詳しく解説します。ご自身の適切な利用限度額を理解し、計画的にカードローンを活用しましょう。

1. カードローンの限度額は2つの意味がある

カードローンの限度額には、実は2つの意味合いがあります。

  • カードローン商品の利用限度額
  • 個人に設定される利用限度額

カードローン商品の利用限度額とは、そのカードローンで借りられる最大金額のことです。一方、個人に設定される利用限度額は、申込者一人ひとりに対して設定される、実際に借り入れできる上限金額を指します。利用可能額、借入限度額、借入可能額、融資限度額など、金融機関によって呼び方が異なる場合がありますが、基本的には同じ意味です。

たとえば静岡銀行のカードローン「セレカ」の場合、ご利用限度額は10万円以上1,000万円以内(10万円単位)と定められています。つまり、最大で1,000万円まで借り入れできる可能性があります。これが「カードローン商品の利用限度額」です。

しかし、誰しもが1,000万円まで借りられるわけではありません。審査の結果によっては100万円や300万円といった上限額が設定される場合もあるということです。これが「個人に設定される利用限度額」になります。

カードローンの審査について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

>> カードローンの審査内容や流れは?知っておきたいポイントや通らない理由を解説

なお、クレジットカードに付帯しているキャッシング機能と比較すると、カードローンのほうが借入限度額は高めに設定される傾向にあります。

カードローンの利用限度額とは?決め方や引き上げるメリット、注意点を解説

2. 利用限度額はどう決まる?

利用限度額は主に以下の3つの基準で決まります。

  • 申込者の属性
  • 他社からの借入状況や信用情報
  • 総量規制

借入限度額が大きいカードローンを選んだとしても、実際に借り入れできる金額は個別の審査によって決まります。それぞれ解説します。

2.1 申込者の属性

申込者の属性とは、返済能力を判断するための個人情報のことです。金融機関は、申込者の属性から、安定して返済を継続できる人物かどうかを判断します。

主な属性情報の例は以下のとおりです。

  • 年収
  • 雇用形態
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 居住形態

これらの情報を総合的に評価し、返済能力に見合った利用限度額が設定されます。

2.2 他社からの借入状況や信用情報

他社からの借入状況や信用情報も、利用限度額を決定するうえでチェックされるポイントの一つです。

金融機関は審査の際、信用情報機関に申込者の信用情報を照会します。
信用情報とは、ローンやクレジットカードの契約内容、支払状況、借入残高など、客観的なお取り引き事実を記録した情報です。過去に返済の延滞や債務整理などがあると、返済能力に懸念があると判断され、限度額が低くなったり、審査に通らなかったりする恐れがあります。

他社からの借入件数や借入総額も審査に影響します。借入件数や金額が多いと、返済の負担が重いと判断され、新たな借り入れの限度額は低めに設定される傾向にあります。

2.3 総量規制

利用限度額を決める際には、総量規制に抵触していないかという点も確認されます。

総量規制とは、借り過ぎを防ぐことを目的に貸金業法で定められているルールです。具体的には、「貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超えてはならない」と定められています。

たとえば年収が450万円の場合、貸金業者から借り入れできる上限額は、年収の3分の1にあたる150万円です。すでに他社から50万円を借り入れている場合、新たに借り入れできるのは残りの100万円までとなります。

ただし、総量規制が適用されるのは、あくまで消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者です。
銀行は貸金業者には該当しないため、総量規制の対象とはなりません。とはいえ、銀行も過剰な貸し付けにならないよう独自の基準を設けて審査を行っており、年収の3分の1を目安にしている場合もあります。

銀行カードローンと総量規制の関係について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

>> 銀行のカードローンは総量規制の対象外?仕組みや注意点などを解説

3. 利用限度額が上限に達したらどうすればいい?

カードローンの利用限度額が上限に達した場合、それ以上の追加借り入れはできません。しかし、返済を進めれば返済した元金の分だけ利用可能額に余裕ができるため、その範囲内であれば追加の借り入れが可能となります。

また、現在の利用限度額以上に借り入れが必要になった場合は増額を申し込む方法もあります。増額を申し込むと、金融機関で再度審査が行われ、承認されれば利用限度額が引き上げられます。

増額の申し込み方法は金融機関によって異なりますが、一般的な方法は以下のとおりです。

  • 会員専用ページ(Webサイト)
  • 電話
  • 郵送
  • 自動契約機

増額手続きについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

>> カードローンの増額はどうすればできる?審査のポイントや流れ、メリットを解説

「借り過ぎを防ぎたい」「当面カードローンを使う予定がない」といった場合は、利用限度額を引き下げることも可能です。ただし、金融機関によっても対応が異なるため、事前に確認する必要があります。
また、金利は利用限度額に応じて設定されることが多く、限度額が低くなると適用金利が高くなってしまう恐れがある点も覚えておきましょう。

なお、金融機関は契約後も定期的に審査(途上与信)を実施しています。利用者の信用情報や利用状況に変化があった場合、金融機関の判断によって借入限度額が見直されることもあります。

4. 利用限度額を引き上げるメリット

利用限度額を引き上げることには以下のようなメリットがあります。

  • 思いがけない出費にも対応できる
  • 限度額が大きいほど金利が低くなる
  • 借入先をまとめると管理が楽になる
  • 新規契約よりも審査が早い

状況によっては、より便利にカードローンを活用できます。

4.1 思いがけない出費にも対応できる

利用限度額を引き上げるメリットには、思いがけない出費に対応しやすくなる点が挙げられます。

日常生活では、予期せぬ出費が発生する場面が少なくありません。「急な病気やけがによる医療費」や「結婚式のご祝儀や葬儀の香典」など、いざというときの備えとして、限度額の増額を検討するのも一つの方法です。

利用限度額に余裕があれば、慌てずに必要な資金を準備できるでしょう。

4.2 限度額が大きいほど金利が低くなる

限度額が大きいほど金利が低くなる傾向にある点も、増額のメリットです。

多くのカードローンでは、利用限度額に応じて適用金利が変動する仕組みを採用しています。静岡銀行のカードローン「セレカ」の融資利率は以下のとおりです。

利用限度額 融資利率
1,000万円の場合 年 1.5%
900万円超 990万円以下の場合 年 2.5%
800万円超 900万円以下の場合 年 3.0%
700万円超 800万円以下の場合 年 3.5%
400万円超 700万円以下の場合 年 4.0%
300万円超 400万円以下の場合 年 7.0%
200万円超 300万円以下の場合 年 9.0%
100万円超 200万円以下の場合 年 12.0%
100万円以下の場合 年 14.5%

参照:セレカ概要説明書

※ご利用限度額に応じて異なります
※金融情勢により融資利率を変更させていただく場合があります

表からも分かるとおり、利用限度額が高くなるほど適用される金利(年率)は低く設定されています。増額審査の結果、利用限度額が引き上げられると、現在よりも低い金利が適用される可能性があります。

ただし、実際に適用される金利は、申込者の信用情報などをもとに審査によって最終的に決定される点には留意しましょう。

なお、カードローンの金利は利息制限法で定められている上限金利を超えることはありません。以下のように借入金額に応じて年15.0%~年20.0%の範囲で設定されます。

元金の金額 上限金利(年率)
10万円未満 20.0%
10万円以上 100万円未満 18.0%
100万円以上 15.0%

参照:e-Gov 法令検索「利息制限法」

4.3 借入先をまとめると管理が楽になる

利用限度額の引き上げによって借入先をまとめた場合は、返済管理が楽になるというメリットもあります。

複数の金融機関から借り入れがある場合、それぞれの返済日や返済額を管理することには手間がかかります。利用限度額を引き上げ、他社からの借り入れを一本化すれば、返済日が月一回になるため管理しやすくなるでしょう。

また、現在よりも低い金利のカードローンに借り替えることで、毎月の返済額や総返済額を軽減できる可能性もあります。

おまとめローンについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

>> おまとめローンとは?カードローンにまとめるメリットや注意点をわかりやすく解説

4.4 新規契約よりも審査が早い

新規契約よりも審査が早い傾向にあることも、増額のメリットです。

新たにお金が必要になった場合は、別のカードローンに新規で申し込む方法もあります。しかし、新規申し込みの際は、本人確認書類の提出や勤務先への在籍確認など、一から手続きが必要です。

一方、すでに契約しているカードローンの増額申請であれば、申込者の基本的な情報は金融機関が把握しているので手続きが簡略化され、審査にかかる時間も短縮される傾向にあります。

5. 利用限度額を引き上げるときの注意点

利用限度額を引き上げる際は、以下の点に注意が必要です。

  • 必ずしも増額ができるとは限らない
  • 収入証明書類が必要となる場合がある
  • 虚偽の申請をしない
  • 必要な金額のみ借り入れをする

それぞれ詳しく解説します。

5.1 必ずしも増額ができるとは限らない

増額を申し込んでも、必ずしも承認されるとは限りません。増額時にも新規契約時と同様に審査が行われるためです。
特に以下のようなケースでは審査に通りにくくなる可能性があります。

  • 新規契約時から年収が下がった
  • 他社からの借入額が増えている
  • 過去に返済を延滞している

審査の結果によっては、利用限度額が現状維持となるだけでなく、逆に引き下げられてしまう可能性もゼロではありません。現在の利用状況や信用情報に不安がある場合は注意が必要です。

また、新規契約してから間もないタイミングでの増額申請は受付してもらえない場合があります。一般的には、最低でも半年程度の利用実績を積んでから申し込むのがよいでしょう。

5.2 収入証明書類が必要となる場合がある

利用限度額を引き上げる際に収入証明書類の提出を求められる場合があります。

貸金業法では、以下のケースで収入証明書類の提出が義務付けられています。

  1. 一つの貸金業者から50万円を超えて借り入れる場合
  2. ほかの貸金業者から借り入れている分もあわせて合計100万円を超えて借り入れる場合

参照:年収を証明する書類とは【貸金業界の状況】 | 日本貸金業協会

増額申請によって希望額が上記の条件に該当する場合、源泉徴収票や確定申告書といった収入を証明する書類の提出が必要です。

なお、銀行は貸金業者ではないため、この法律の直接の対象ではありません。しかし、多くの金融機関が独自の基準に基づいて収入証明書類の提出を求めています。申し込みの際には必ず最新の書類を用意しておきましょう。

5.3 虚偽の申請をしない

利用限度額を引き上げたいからといって、年収や他社からの借り入れ状況について虚偽の申告をするのは絶対にやめましょう。金融機関は審査の過程で信用情報機関への照会や提出された書類の確認を行うため、虚偽であることが発覚する可能性がきわめて高いです。

もし虚偽の申告が発覚した場合、審査に通らないだけでなく、その金融機関と今後のお取り引きが一切できなくなるおそれがあります。契約の強制解除や一括返済を求められるケースもあるため、申し込みは正確な情報で行いましょう。

5.4 必要な金額のみ借り入れをする

必要な金額のみ借り入れをすることも意識しましょう。

利用限度額が引き上げられると、より多くのお金を借りられるようになりますが、安易に借入額を増やすのはおすすめできません。借入額が増えればその分だけ毎月の返済額も増え、家計への負担が大きくなります。やがて返済が困難になり、延滞につながるケースも少なくありません。

借り入れをする際は、金融機関のWebサイトなどで提供されている返済シミュレーションを活用し、毎月無理なく返済できる金額を把握しておきましょう。

>> 返済シミュレーション | ローンシミュレーション | 個人のお客さま | 静岡銀行

また、短期間に複数のローンへ申し込みをすると審査に影響が出るおそれがあります。本当に必要な金額だけを計画的に借り入れるように心掛けてください。

6. カードローンをご検討中の方には、静岡銀行のカードローン「セレカ」がおすすめ

カードローンの利用を検討している方には、静岡銀行のカードローン「セレカ」がおすすめです。
「セレカ」の利用限度額は10万円~1,000万円で、金利は年1.5%〜14.5%。申し込みはスマートフォン一つで完結し、仮審査も最短30分で完了します。契約が終われば入金にも時間がかからないため、急な出費でお困りの際にも便利なサービスです。
初めて契約された方には、契約日から60日間の無利息期間が適用されます。

自身の状況にあわせて計画的に借り入れをしたい場合は、ぜひ静岡銀行のカードローン「セレカ」の活用をご検討ください。

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7. まとめ

利用限度額が不足していると感じたときは、返済を進めるか増額手続きをすることで、追加の借り入れが可能となります。

ただし、カードローンの利用限度額は、申込者の年収や勤務先といった属性、信用情報、そして総量規制のルールなどを基に、審査によって一人ひとり個別に設定されます。また、増額には新規申し込み時と同様の審査が必要となります。さらに、限度額が増えたからといって安易に必要以上に借り入れると、返済の負担がより大きくなってしまうため注意が必要です。

無理のない返済計画を立てたうえで、上手にカードローンを活用しましょう。