2025年10月31日公開(2025年10月31日更新)
カードローンの繰り上げ返済で利息や期間はどうなる?メリットや上手に使うコツを解説
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2025年10月31日時点の情報となります。
■ Profile
荒木 和音(あらき かずね)
保険代理店での個人向け家計相談や企業のリスクコンサルティングを経て、金融専門ライターとして独立。現在はWEBメディアを中心に、クレジットカードやカードローン、資産運用などに関する記事を幅広く執筆している。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
カードローンを利用していると、「今月は少し余裕があるから多めに返済したい」「ボーナスが入ったからまとめて返したい」などと考える場面があるかもしれません。そんなときに役立つのが、繰り上げ返済の仕組みです。
繰り上げ返済を上手に活用すると、返済の負担を軽くできる可能性があります。本記事では、カードローンの繰り上げ返済の仕組みやメリット、注意点を詳しく解説します。また、具体的なシミュレーションや効果的に活用するコツもご紹介します。
1. カードローンの繰り上げ返済とは
カードローンの返済方法は、毎月決まった日に返済する約定返済と、任意のタイミングで追加返済する繰り上げ返済の2つがあります。
繰り上げ返済は、臨時返済や任意返済と呼ばれる場合もあり、支払った金額は利息ではなく元金(借り入れた金額そのもの)の返済に充てられるのが一般的です。元金が早く減るため、その分、将来発生する利息を抑える効果が期待できます。
繰り上げ返済と似た方法に一括返済があります。一括返済は、借入残高のすべてを一度に返済する方法で、繰り上げ返済の一種と考えてよいでしょう。
カードローンの返済方法に関して詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
>> カードローンの返済方法は?利息の計算方法や無理なく返済するコツを解説
>> カードローンの一括返済とは?メリット・デメリット|シミュレーションや注意点を解説
2. カードローンで繰り上げ返済するメリット
カードローンの繰り上げ返済には、以下の3つのメリットがあります。
- 利息負担が減り、返済期間が短くなる
- 返済した分の利用可能額に余裕ができる
- 精神的な負担が軽くなる
家計の状況にあわせて、繰り上げ返済を上手に活用しましょう。
2.1 利息負担が減り、返済期間が短くなる
繰り上げ返済をする一番のメリットは、支払う利息の総額を減らせる点です。
カードローンの利息は、一般的に以下の計算式で算出できます。
利息=借入金額×金利(年率)×借入日数÷365日
※うるう年の場合は366日で計算
利息は借入残高(元金)に対して発生します。繰り上げ返済で元金を直接減らすことで、その後の利息がかかる対象額が小さくなり、結果として支払う利息総額を抑えられます。利息負担が減る分、完済までの期間も短縮されます。
2.2 返済した分の利用可能額に余裕ができる
カードローンは、契約時に定められた利用限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れができます。
たとえば、利用限度額50万円で30万円を借り入れた場合、残りの利用可能額は20万円です。その後、繰り上げ返済で10万円を返済すると、借入残高は20万円になり、利用可能額は30万円に回復します。
繰り上げ返済によって利用可能額に余裕が生まれれば、急な出費が必要になったときにも対応しやすくなるでしょう。
カードローンの利用限度額については、以下の記事でも解説しています。
>> カードローンの利用限度額とは?決め方や引き上げるメリット、注意点を解説
2.3 精神的な負担が軽くなる
借金があるという状況は、人によっては精神的なプレッシャーになる場合があります。繰り上げ返済を利用して借入残高が減れば完済への道のりが明確になり、精神的な負担の軽減につながる場合もあるでしょう。
3. カードローンで繰り上げ返済をする際の注意点
繰り上げ返済には多くのメリットがありますが、以下の点には注意が必要です。
- 次回の約定返済がなくなるわけではない
- 手数料がかかる場合がある
- 手元に残る資金を把握しておく必要がある
返済を計画的に進めるために、あらかじめ確認しておきましょう。
3.1 次回の約定返済がなくなるわけではない
繰り上げ返済をしたとしても、次回の約定返済はなくなりません。繰り上げ返済はあくまで追加の返済であり、毎月の返済は別途必要です。
「今月は繰り上げ返済したから大丈夫」と思い込んで約定返済を忘れてしまったり、金銭的に余裕がなく約定返済ができなかったりすると、延滞扱いになります。
延滞すると遅延損害金が発生するほか、信用情報に影響が出る恐れもあるため、繰り上げ返済は家計に無理のない範囲で実施しましょう。
3.2 手数料がかかる場合がある
繰り上げ返済の方法によっては手数料が発生するケースがあります。たとえば、提携先のコンビニATMなどを利用して返済する場合、ATM利用手数料がかかる場合があります。
繰り上げ返済をする際は、手数料がいくらかかるのか、手数料のかからない方法はないかを事前に確認をしましょう。
3.3 手元に残る資金を把握しておく必要がある
家計に余裕がないのに無理に繰り上げ返済をすると、手元の資金が不足してしまう恐れがあります。繰り上げ返済によって日々の生活費が足りなくなったり、冠婚葬祭などの急な出費に対応できなくなったりしては本末転倒です。結局カードローンでの借り入れを増やすことになりかねません。
繰り上げ返済は、あくまで生活に支障のない範囲で行うのが原則です。家計の状況や近々予定している出費などを考慮し、手元に十分な資金を残したうえで計画的に利用しましょう。
4. 【シミュレーション】繰り上げ返済で利息はどのくらい変わる?
実際に繰り上げ返済をすると、利息や返済期間はどれくらい変わるのでしょうか。具体的にシミュレーションしてみましょう。
【借入シミュレーション条件】
- 借入金額:30万円
- 返済期間:3年
- 金利:年率15.0%
- 返済方法:元利均等返済
- 繰り上げ返済:1年後に10万円
| 繰り上げ返済なしの場合 | 繰り上げ返済ありの場合 | |
|---|---|---|
| 約定返済 | 10万399円 | 10万399円 |
| 繰り上げ返済(臨時返済) | なし | 10万円(1年後) |
| 総支払額 | 37万4,364円 | 34万9,673円 |
| 利息分 | 7万4,364円 | 4万9,673円 (利息の差2万4,691円) |
| 返済期間 | 3年 | 2年1ヵ月 (返済期間の差9ヵ月) |
上記のケースでは、1年後に10万円を繰り上げ返済することで支払う利息が2万4,691円減り、返済期間も9ヵ月短縮される結果となりました。
なお、上記のシミュレーションはあくまで一例です。実際の利息額や返済期間は、借入先の金利や返済方式、利用状況などによって異なります。
5. 繰り上げ返済を上手に使うコツ
繰り上げ返済を効果的に活用するためには、タイミングも重要です。繰り上げ返済をしてもよいケースは下記になります。
【繰り上げ返済をしてもよいケース】
- 資金に余裕がある場合
- 臨時収入が入った場合
- 毎月の返済額が減った場合
繰り上げ返済は、生活費や緊急時の備えを確保したうえで、さらに資金に余裕がある場合に活用しましょう。特に、ボーナスや給付金など予定外の収入があったときは繰り上げ返済のチャンスです。
残高スライド方式(借入残高に応じて毎月の返済額が変動する返済方法)のカードローンでは、返済が進むと月々の返済額が少なくなる場合があります。その減額分を繰り上げ返済に回すのも一つの方法です。
また、カードローンの利息は日割りで計算され、借入残高に応じて金額が決まります。借り入れ後できるだけ早いタイミングで繰り上げ返済をすると、その後の利息計算の元となる借入残高を早めに減らせます。結果として、支払う利息総額をより効果的に減らすことが可能です。
なお、繰り上げ返済をしない方がよいケースは下記になります。
【繰り上げ返済をしない方がよいケース】
- 繰り上げ返済をすると手元の資金が不足する場合
- 収入が不安定な場合
繰り上げ返済で生活が苦しくなったり、急な出費に対応できなくなったりする事態は避けましょう。転職直後や自営業などで収入が安定しない時期は無理な返済をせず、まずは手元に資金を確保することを優先してください。
6. 繰り上げ返済をする方法
繰り上げ返済の方法は金融機関によって異なりますが、一般的な方法は以下のとおりです。
- 銀行やコンビニなど提携ATMの利用
- 指定口座への銀行振込
- インターネットバンキング
- 会員専用サイトやアプリからの手続き
繰り上げ返済は基本的にいつでもできますが、1回あたりの最低返済額が決められている場合もあります。契約しているカードローンのWebサイトなどで手続き方法を確認しておきましょう。
7. 返済計画を立てて、静岡銀行のカードローン「セレカ」を利用しよう
カードローンの利用を検討している方には、静岡銀行のカードローン「セレカ」がおすすめです。
セレカは、借入残高が10万円以下の場合、月々2,000円から返済が可能です。月々の返済負担を抑えながら、ご自身のペースで計画的に返済を進められます。
また、しずぎんATMやセブン銀行ATMから手軽に返済できる点も魅力です。しずぎんATMなら手数料はいつでも無料。セブン銀行ATMでも月3回までは手数料がかかりません。もちろん、余裕のあるときには提携ATMやインターネットバンキングから繰り上げ返済もできます。
初めて契約する方は、最大60日間無利息で借り入れが可能です。申し込みはWebで完結するため、来店や書類の郵送などは必要ありません。
急な出費に備えておきたい場合は、ぜひセレカのご利用をご検討ください。
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8. まとめ
カードローンの繰り上げ返済は、支払利息を減らし、返済期間を短縮するために効果的な方法です。借入残高が早く減ることで、精神的な負担も軽くなるでしょう。
ただし、繰り上げ返済をしても毎月の約定返済はなくなりません。また、無理な返済は家計を圧迫する原因になります。ここでご紹介したメリットや注意点、シミュレーションをふまえ、家計の状況にあわせて計画的に活用し、完済を目指してください。
